多くの人は、予算をカテゴリ別に見直します。「食費を使いすぎている」というふうに。カレンダーの視点で見直す人は、ほとんどいません。そして予算が実際に崩れるのは、そこです。すでに知っている毎月の定常的な支出ではなく、年に2回、年に1回、4か月に1回といった具合に押し寄せるまとまった支出で、なぜかいつも理不尽に感じられます。
年間支出カレンダーは、それを解決します。道具ではなく、30分の作業です。一度作れば、1年は不意打ちの連続ではなくなります。
年間支出カレンダーとは
年間支出カレンダーは、一つの問いに答える一覧です。これから12か月の各月に、どんな大きくて不規則な支出が来るか。
毎月の予算とは別物です。毎月の予算は、家賃、食料品、ガソリン、サブスクなど30日ごとに来るものを扱います。年間カレンダーが扱うのは、それ以外のすべてです。保険料、固定資産税、車検、学費、資格や免許の更新、贈り物、休暇、年に2回しか行かない歯医者。
こうした支出には共通のパターンがあります。
- 事前にわかっている:忘れていても、支払期日がある
- まとまっている:普通の月額の請求より、はるかに金額が大きい
- 繰り返す:毎年、しばしば同じ月に起こる
三つとも満たすなら、カレンダーに載せます。最初の二つだけなら(結婚式や一度きりの弁護士費用など)、別の「単発」リストに載せます。
これがないと毎月の予算が失敗する理由
1年のうち11か月を完璧に予算管理しているとします。収入4,000ドル、支出3,600ドル、貯蓄400ドル。申し分ありません。
そこへ3月が来ます。自動車保険が900ドル。春のタイヤが400ドル。年1回の車検が80ドル。突然980ドル足りなくなり、貯金を切り崩すか、もっと悪ければクレジットカードに頼るしかありません。
使いすぎたのではありません。計画が足りなかったのです。数字は最初からそうなるはずでした。年間の費用を無視した毎月の予算は、少なくとも年に4か月は間違っている予算です。
30分の棚卸し
過去12か月分の銀行とクレジットカードの明細を開きます。月ごとにスクロールします。いつもの毎月のパターンに入らない取引を見つけるたびに、書き出します。探すのは、毎月見かけた金額ではなく、見て「ああ、これか」と思う金額です。
この棚卸しでよく出てくるカテゴリは次のとおりです。
| カテゴリ | 例 | 一般的な頻度 |
|---|---|---|
| 保険 | 自動車、住宅、賃貸、生命、ペット | 年1〜2回 |
| 不動産 | 固定資産税、管理組合費、地代 | 年1〜4回 |
| 車 | 税金、車検、タイヤ交換、登録 | 年1〜2回 |
| デジタル | iCloudの容量追加、ドメイン、ホスティング、ソフトウェア | 年1回 |
| 会費 | 専門職団体、組合、ジムの年会費 | 年1回 |
| 贈り物・休暇 | クリスマス、誕生日、記念日 | 特定の月に集中 |
| 旅行 | 年に一度の旅行、帰省 | 年1〜2回 |
| 健康 | 歯のクリーニング、視力検査、獣医 | 年1〜2回 |
| 教育 | 学費、子どものキャンプ、講座 | 年1〜3回 |
| メンテナンス | ボイラーの点検、煙突掃除、雨どいの掃除 | 年1回 |
ほとんどの人は12〜25項目を洗い出します。それが普通です。リストがそれより短いなら、まだ見落としがあります。探し続けてください。
カレンダーを作る
リストの各項目を、実際に発生する月に割り当てます。結果は次のようになります。
| 月 | まとまった支出 | おおよその合計 |
|---|---|---|
| 1月 | ジムの年会費、ソフトウェアの更新 | 400ドル |
| 2月 | — | 0ドル |
| 3月 | 自動車保険、タイヤ、車検 | 1,380ドル |
| 4月 | 固定資産税、歯のクリーニング | 700ドル |
| 5月 | — | 0ドル |
| 6月 | 年の中間の納税 | 600ドル |
| 7月 | 休暇旅行 | 1,800ドル |
| 8月 | 学用品、子どものキャンプ | 500ドル |
| 9月 | 視力検査、ボイラーの点検 | 300ドル |
| 10月 | 固定資産税、住宅保険 | 1,400ドル |
| 11月 | 年末前の贈り物 | 400ドル |
| 12月 | クリスマス、年末の寄付 | 1,000ドル |
このカレンダーの合計欄が、まともな大人として暮らすための、本当の年間コストです。12か月分の通常の支出に足せば、ようやく正直な数字になります。
得られる二つの数字
完成した年間カレンダーからは、ほとんどの予算が追っていない二つの数字が出ます。
- 年間のまとまった支出の合計:1年間の不規則な費用をすべて足したもの。
- 毎月必要な積立額:その合計を12で割ったもの。
二つ目の数字は、まとまった出費をまかなうためだけに、毎月取り分けなければならない金額です。上の例では、8,480ドル ÷ 12 = 月707ドルです。毎月の予算に、「年間支出の積立」として707ドルの行がなければ、その分だけ予算は不足しています。
多くの人が、貯蓄率を過大に見積もっていたと気づくのはこのときです。「貯蓄」と呼んでいたお金は、実は先送りされた年間の費用だったのです。
カレンダーをどう使うか
三つの行動を、順番に行います。
- 負担の重い月を前倒しで備える。 毎月の積立額を超える月を見てください。積立が700ドルで、3月が1,380ドルなら、3月1日までに追加で680ドルを貯めておく必要があります。その備えは1月から始めます。
- 各項目を貯蓄の枠に対応させる。 「自動車保険」は、一つの目標額(900ドル)と一つの期日(3月)を持つ一つの枠です。約200ドルを超える項目すべてで繰り返します。それ未満の項目は、「小さな年間費用」の一つの枠にまとめてかまいません。
- 枠ごとに毎月の積立額を決める。 900ドル ÷ 12 = 月75ドルを、自動車保険を最後に払った翌月から積み立てます。計算は簡単で、規律そのものが肝心です。
1周期を終えるころには、カレンダー上のすべての支出が、届く日には全額前払いの状態になっています。
よくある間違い
一度きりの作業として扱う。 カレンダーは毎年1月に、前年の実績が新しいうちに見直す必要があります。価格は上がります。新しい支出が現れます。古いものは消えます。
2年に一度の費用を忘れる。 パスポートの更新、運転免許、家電の一部の点検。それらは発生する年のカレンダーに載せ、次の周期へのメモも添えましょう。
去年の金額をそのまま使う。 保険は上がりました。インフレも来ました。各行に5〜10%は上乗せしてください。すべての行で足りないカレンダーは、ないよりひどいものです。
単発と年間を混ぜる。 年間カレンダーは繰り返す費用のためのものです。来年9月の結婚式は現実ですが、同じリストには載せません。次の周期がなく、積み立てる先がないからです。
頭の中だけでやる。 うまくいきません。そもそも、脳は3月が来る前に3月を忘れてしまいます。書き出してください。
thrustでの使い方
thrustは、この仕組みの両方の半分を、iPhoneの中で完全にオンデバイスで提供します。
- スマート予算では、「年間支出の積立」という毎月の定期的な枠を作れます。カレンダー全体をまかなう毎月の積立を一つにまとめ、家賃や食料品と同じ立場でお金を取り合います。
- 目標では、まとまった支出ごと(自動車保険、固定資産税、クリスマス)に名前を付けた目標を作り、それぞれに目標額と期日を設定できます。オンデバイスのAI CFOが、各目標がペースどおりか、そして近づくまとまった支出を考慮したときの「使えるお金」がいくらになるかを示します。
- 多通貨対応もここで役立ちます。保険がユーロで、給料がズウォティなら、thrustはそれぞれの目標を元の通貨でリアルタイムの為替レートとともに追跡するので、為替が動いても目標額はずれません。
- すべてがスマホの中に残るので、銀行口座の連携は要りませんし、明細のデータが端末の外に出ることもありません。カレンダーはあなただけのものです。
自分の人生に不意打ちされるのをやめるのに、複雑な仕組みは要りません。12か月分の1ページと、すでに事実であることを書き出す意志があればいいのです。